平成31年(令和元年)度 校内研究・国語科
研究主題》
対話的な学びを生かして,読みを深める指導法の研究 〜物語の読みを通して〜
(2年次
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 第1回 研究授業  第4学年 
単元名「中心人物の変化をとらえて物語を読み、感想を伝え合おう」 
教材名「走れ」
5月10日(金) 4年3組

 研究授業1回目は、第4学年の「走れ」を教材とした読み取りの学習でした。
 昨年度に引き続き、早稲田大学教職大学院客員教授、本校第11代校長の遠藤真司先生を講師にお招きし、ご指導を賜りました。
主人公の「のぶよ」にからみついていたいろいろな思いとはどんな思いかを考え、ペアによる議論を通して自分の考えを広げ、深めました。全体の対話では、家族への思い、抑えていた自分の気持ちの開放によってのぶよが自分らしく走ることができたことを共有しました。
     
 授業後の研究協議会ではワークショップ形式の協議会を導入しました。グループ協議では、どのグループでも活発な意見交換が行われました。単元を通して設定された「一貫した問い」や対話による読みの深まり等について議論を進めました。
グループ協議、全体協議の後、遠藤先生からご指導をいただきました。一貫した問いの立て方や対話の方法等かなり具体的なご指摘をいただき、次回の研究授業に向け、課題が明確になりました。
     


 第2回 研究授業  第2学年 
単元名「ばめんごとに読もう」 
教材名「お手紙」
5月31日(金) 2年3組

 2回目の研究授業は、2年生のがまくんとかえるくんのお話、「お手紙」です。かえるくんががまくんにお手紙を書いた事実を知ったがまくんの心情の変化を読み取る授業でした。がまくんの気持ちが大きく変化するところを見付け、その理由を話し合うことで二人の気持ちがどのように変化したのかを読み取りました。がまくんの「ああ」の後に入る言葉を想像し、根拠を明確にして考える活動では、様々な考え方の交流を通して読みを深めることができました。
     
 授業後の研究協議会では、前回同様、グループ協議による研究協議を通して、課題を明確にしました。遠藤先生からは、叙述から読み取れる箇所を探すこと、常に文章の中に根拠を求めること等、読み取りの視点を改めてお示しいただきました。
また、学習を価値付ける教師の話について、演習を通してみんなで学びました。
     


第3回 研究授業  第5学年 
単元名「物語の構成をとらえ、山場で起きた変化について考える」 
教材名「世界でいちばんやかましい音」
6月7日(金) 5年3組
 3回目の研究授業を行いました。今回は高学年、5年生です。「世界でいちばんやかましい音」の教材文を基に、人物像や物語等の全体像を具体的に創造する力を身に付けさせるための手立てとして「心の色シート」を活用しました。一貫した問い「ガヤガヤの町は、なぜ変わることができたのだろうか」に迫るため、最後の場面のギャオギャオ王子の心の色を考え、グループや全員で議論しました。
     
 

 研究協議会では、グループ協議で授業を振返るとともに、協議結果を全体で共有しました。指導案拡大シートに付箋を貼り議論のポイントを視覚化しながらの協議会となり、回を増すごとに活発な議論となりました。遠藤先生からの指導、助言では、主題に即した教材研究、特に一貫した問いの設定には欠かすことのできないことであることを教わりました。指導者が主題を明確にすることは、何を子供たちに考えさせ、学ばせるかという教材研究の根幹をなすことであり、今回改めて気付かされました。
     

 
   第4回 研究授業  第3学年
単元名「物語のしかけをさがそう」 
教材名「ゆうすげ村の小さな旅館」
6月28日(金) 3年1組
4回目の研究授業は、3年生の「ゆうすげ村の小さな旅館」です。逆向き設計の単元指導計画を作成する際に、児童の実態から見たスタート地点を設定し、ゴールイメージを明確にさせて上で指導計画を作成しました。本時はその9時間扱いの第8時です。「一貫した問い」である「美月はウサギだと気付いてほしかったのか?気付いてほしくなかったのか」に迫るための学習活動を展開し、対話的な学びを基に問いに迫りました。活発な議論が行われ、主人公の気持ちに迫ることができました。   
     
研究協議会では、すっかり定着したグループ協議で、拡大指導案シートを基に授業を振返りました。今回の研究の手立てである、「逆向き設計による指導計画」「一貫した問い」「対話的な学び」「学習を価値付ける教師の話」をより意識した議論を行いました。特に、「学習を価値付ける教師の話」については、講師の遠藤先生からのご指導の中で演習を行っていただき、全員でより良い価値付けについて考えを深めました。講師の遠藤先生からは「研究は厳しく、人間関係はあたたかく」というお言葉をいただき、2学期以降の研究の基本的な考えとすることにしました。  
     


第5回 研究授業  第6学年
単元名「人物と人物の関係を考えよう」 
教材名「風切るつばさ」
9月13日(金) 6年3組
 
 今回は、2学期1回目の研究授業です。6年生の「風切るつばさ」の学習でした。逆向き設計の考え方に則り、「人物像や物語の全体像を具体的に想像したり、表現の効果を考えたりしながら自分の感想をもったり、互いに感想を共有して自分の考えを広げたりすること」をゴールとして単元指導計画を作成しました。そして、単元を貫く一貫した問いとしては、「なぜ、風切るつばさという題名なのか。」にしました。
 全6時間扱いの第6次でした。今回の場面では「「もちろんさ」と言った時のクルルの気持ちを考えよう」を主課題として、自分の考えをまとめ、深めました。対話を通して、互いに考えを共有し、一貫した問いに迫りました。
     
研究協議会では、今回もグループ協議により、拡大指導案シートを基に授業を振り返りました。今回は東久留米市教育委員会指導室の菊池指導主事にもご来校いただき、手立てとの関連等についてご指導いただきました。遠藤先生には、昨年度から継続してご指導をいただいております。今回は、物語文の読みにおける汎用的な力を育てる必要があり、そのための教材研究の進め方について具体的なご指導をいただきました。
 さらに、中心人物の心情、行動が「何によって」「どう変化したか」をとらえられるようにすることや対話的な学びによって自ら学ぶよう教師が指導を続けていくことが必要であることについて、具体的な事例をもとにお話しいただきました。
     


第6回 研究授業  第1学年
単元名「いろいろなおはなしをよもう」 
教材名「おとうとねずみチロ」
11月20日(金) 1年1組
 
  第6回は、1年生の授業です。今年度予定されている全6回の研究授業の最終回でした。研究主題に迫るための手立てとして、「単元を貫く一貫した問い」「逆向き設計での指導計画」「対話の工夫」「学習を価値付ける教師の話」の4つを常に意識して授業を組み立ててきました、この単元は、おばあちゃんからのチョッキを楽しみに待つ弟ねずみチロの行動や気持ちを中心に描かれた物語です。そこで、一貫した問いを「チロがおばあちゃんにつたえたいことはなんでしょう」に設定し、主題に迫るために毎時間児童に考えさせました。全文シートとワークシートにより自分の考えをまとめ、ペアやグループでの対話を通して互いに考えを共有しました。ハートメーターや音読による工夫も見られました。
     
 今回も拡大指導案シートと付箋を使ったグループ協議により、活発な意見交換を行いました。遠藤先生からは、今回の授業の価値付けをしていただき、音読指導や対話指導の配慮事項や留意点についてご教授いただきました。また、この研究の趣旨や目的に立ち返り、子供たちに力を付けるためには物語の読みにおける汎用的な力の育成が必要であるということを再認識しました。指導・講評の後半に、発表会当日に公開する有名物語教材の主題について各学年で協議をした時に、各学年のグループに入り、的確かつ丁寧なご指導をしていただきました。
 これまでの全6回にわたる研究授業や遠藤先生のご指導により培ってきた成果を研究発表会では伝えさせていただきます。
     

平成30年度・令和元年度 東久留米市教育委員会研究推進校 研究発表会